遺伝子コラム

遺伝子検査世界最大手のDTC(Direct to Consumer)の比較

1月のニューヨークタイムズ紙でこんなコラムがありました。

世界最大手のDTC(Direct to Consumer)の23andMEとGenetic Testing LaboratoryとPathway Genomicsの3社の遺伝子検査を受けた健康な28歳女性の結果の比較を掲載していた。

健康な女性が3社の遺伝子検査を受けて比較した。その結果、それぞれの結果レポートで明らかな違いが出てしまった。

<価格は1万円〜5万円程度>

ある①会社はA,B疾患リスクが高い、しかし②会社はそのA,B疾患リスクが低いという結果が出てしまった。

これらの検査会社の手法は以前お話した、スニップス(SNPs:Single Nucleotide Polymorphism)ゲノム配列上において、一塩基だけが変異した多様性の事でその頻度が1%以上のものを言います。

『100人いれば1人以上の人が持っている遺伝子変異』

これは既に2013年10月16日で73,345,505個(約7300万個)のSNPsが確認されて論文化されている。

世界大手の個人遺伝子検査(DTC)でさえ20〜30の病気に対する遺伝子を約73000万個からSNPsから選び出し、エンジニアがアルゴリズムを構築し遺伝子チップ化し提供する、病気に対する遺伝子によるリスク検査はこのSNPsでは100点は絶対にとれません。検査する遺伝子数やアルゴリズムの構築の仕方では、30点のもなるし80点にもなります。

あの23and Meがこのアルゴリズムの構築不足でFDAからストップをかけられたのは有名な話です。

個人が30点の検査なのか?80点の検査なのか?を見極めるのは非常に困難です。

このニューヨークタイムズの掲載の最後にこんな事が書かれていました。

『専門家曰く、結果をうのみにせずこの遺伝子診断は楽しみの1つとして考えてください。お金があるのならば体重計を買いましょう』

これは専門家の意見とは思えない回答ですね。この遺伝子検査の中身とこれからの解析いかんにより極めて面白い結果が提供できます。

まだ世界でも遺伝子検査は始まったばかりです。

おみくじのように楽しみの1つとして考えて安価なものですますか。自分の身体を知るようなスタンスで品質の良いものを受けるかは自分次第ではないだろうか。

Posted by Helical Link